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知床観光船事故

2022年4月23日、知床半島沖で観光船が沈没。乗客乗員計26人のうち20人が死亡、6人が行方不明に。

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「知床岬へ」母子はカズワンに乗り換えた 証言でたどる観光船事故

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観光船「KAZU Ⅰ」が出発した船乗り場に置かれたままのタラップ=北海道斜里町で2022年5月22日午後5時7分、貝塚太一撮影
観光船「KAZU Ⅰ」が出発した船乗り場に置かれたままのタラップ=北海道斜里町で2022年5月22日午後5時7分、貝塚太一撮影

 北海道・知床半島沖で乗客乗員計26人を乗せた小型観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、船の引き揚げ作業が本格化している。一方で今も12人の行方がわからず、周辺海域では海上保安庁の船などによる行方不明者の捜索が続く。23日で事故から1カ月。関係者の証言などから、事故当日の状況を追った。

 4月23日午前10時。北海道斜里町のウトロ漁港に停泊しているカズワンに、24人の乗客が次々と乗船していった。最後に乗船したのは女性と男の子の親子。関係者によると、親子はカズワンの運航会社「知床遊覧船」の別の船「KAZU Ⅲ(カズスリー)」の乗船を予約していた。しかし、カズスリーは知床岬より手前の「カムイワッカの滝」あたりで折り返す船で、親子が知床岬で折り返すコースを希望したため、急きょカズワンへの乗船に振り替えていた。

 案内役のスタッフが、屋外席に座った男の子に救命胴衣を着させてあげると、サイズが大きく、下のサイズの着用を勧めたという。「予約通りにカズスリーに乗っていたら、事故に巻き込まれることはなかったのに」。関係者の胸中に、そんな思いが去来する。カズワンは午前10時ごろ、親子を含む24人の客を乗せて出港した。約3時間の航行予定だった。

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