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<名品手鑑Ⅱ(めいひんてかがみ2)>
伊香立香の里史料館(いかだちかおりのさとしりょうかん) 「衣・食・住」や季節の展示 珍しい生活道具など紹介
一説には比叡山で修行をしていた天台宗の僧侶・相応(そうおう)(831~918)によって、神秘的な霊香の香る地として名付けられた「伊(異)香立」。この伊香立には桓武天皇の夫人である藤原旅子(たびこ)の霊をまつる還来神社(もどろぎじんじゃ)など、古くからの寺社が点在します。特に、京都の知恩院に伝わる仏像や古文書を応仁の乱の戦禍から避難させるため、「新知恩院」がこの地に建立されたという説もあり、古くから近江国と京都を結ぶ交通の要衝であったことがうかがえます。琵琶湖大橋から西へ約6キロの比良山系と比叡山系が交わる丘陵地に位置する自然豊かなこの地に2004年の2月、「伊香立香の里史料館」が建てられました。
史料館に入ると、まず目に入るのは牛小屋とニワトリです。農作業や林業に欠かせない動物たちで、この地域では南向きに建つ民家の東側に隣接して牛小屋が建てられることが多かったと言います。再現された家屋の中は囲炉裏部屋での家族団らんの様子が再現されており、肩こり解消に使用されていたと思われる古い「按摩器(あんまき)」まで紹介されています。明治、大正、昭和を生きた人々の、どこか懐かしい素朴な暮らしぶりがうか…
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