日米同盟は新局面に 求められる日本の気概 古本陽荘・外信部長

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日米首脳会談で握手する岸田文雄首相(右)とバイデン米大統領=東京・元赤坂の迎賓館で2022年5月23日午前11時36分(代表撮影)
日米首脳会談で握手する岸田文雄首相(右)とバイデン米大統領=東京・元赤坂の迎賓館で2022年5月23日午前11時36分(代表撮影)

 ロシアによるウクライナ侵攻は、地政学上の地殻変動を引き起こした。これまで常識だと思われていたことが次々と覆され、国際秩序は溶解し始めている。そして、その波紋はアジアにも到達している。次は中国が台湾を侵攻するのではないか。そうした懸念の声が高まっている。

 バイデン米大統領はそんなタイミングで日本を訪れた。岸田文雄首相と会談し、インド、オーストラリアを加えた4カ国(クアッド)首脳会議にも臨む。ウクライナ危機への対応に忙殺されてきたものの、中長期的には、覇権主義的な中国を見据え、アジアに自由で安定した秩序を形成するとの決意を示すのが来日の主眼だろう。地域の安定のための基盤が日米同盟であるという明確なメッセージも発せられた。

 米国はかつてのような、超大国ではない。「世界の警察官」であることをやめ、通商条約に懐疑的な世論が支配的だ。米政界の分断も収まる気配がない。国内事情が米国の外交、安全保障政策を揺さぶる状況が続きそうだ。日本にとって米国は間違いなく「面倒くさい同盟国」になっている。

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