ロシア対応で孤立を懸念するインド クアッド、日本はつなぎ役に腐心
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24日に開かれた日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会議は、昨年9月の米ワシントンに続く2度目の対面式会合となった。ロシアによるウクライナ侵攻への対応を巡ってインドとの温度差は残ったが、日米は中国抑止という「共通の利益」に目を向けることで連携強化を推進。一方の中国は、米主導でインド太平洋地域の多国間協力が進むことに警戒を強めている。
「インドも参加」あえて言及
「インドも参加する形で、ウクライナでの悲惨な紛争に懸念を表明し、法の支配や主権・領土の一体性等の原則はいかなる地域でも守らなければいけないと確認した」。議長役だった岸田文雄首相は首脳会議後の記者会見で、あえて「インドも参加する形で」と言及し、ロシアと関係の深いインドとも認識を共有できたとの手応えをにじませた。
ウクライナ情勢を巡って、インドは即時停戦を求める一方で、ソ連時代から友好関係にあるロシアの侵略を直接的には非難しない立場をとってきた。インド軍の兵器の多くはソ連・ロシア製で、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、2017~21年に主要兵器の46%をロシアからの輸入で調達した。日米豪がウクライナ侵攻を受けて対露制裁に踏み切ったのに対して、インドは制裁に参加せず、逆にロシア産原油を買い増した。
24日の首脳会議の冒頭でも、岸田首相が「国連憲章の諸原則への真っ向からの挑戦」とロシアを非難し、バイデン米大統領も「ロシアの残虐な戦争は人道的な大惨事を招いた。世界が対処しなければならない」と訴えたのに対して、インドのモディ首相はウクライナ情勢に言及しなかった。
一方で、インドは「ロシア寄り」の立場をとって国際的に孤立することも懸念している。…
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