立法の不作為 最高裁、厳しく指弾 国民審査制限「違憲」判決

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最高裁裁判官国民審査の在外投票を巡る訴訟の上告審判決が言い渡された最高裁大法廷。中央は大谷直人裁判長=東京都千代田区で2022年5月25日午後2時57分(代表撮影)
最高裁裁判官国民審査の在外投票を巡る訴訟の上告審判決が言い渡された最高裁大法廷。中央は大谷直人裁判長=東京都千代田区で2022年5月25日午後2時57分(代表撮影)

 海外で暮らす日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できない現行法を違憲と判断した25日の最高裁大法廷判決は、国民主権の観点から審査権を行使する重要性を正面から認め、国会の立法不作為を非難した。国民審査法の改正を強く迫る内容だが、国会側の改正に向けた見通しは立たない。

国会に早急な改正を迫る

 現行憲法は、国会が作った法律が憲法に適合しているかどうかを最終的に決める「違憲立法審査権」を最高裁に与え、国会や内閣に対する司法のチェック機能を強化した。一方で、最高裁裁判官は国会に信任された内閣が任命・指名し、国民から直接選ばれるわけではない。

 戦後、旧憲法を改正する草案作りを進めた連合国軍総司令部(GHQ)と日本側がこのような最高裁裁判官を審査する方法を検討する中、国会が承認する方法では政治が関与できる余地が大きくなるとの声が上がり、国民による直接投票(国民審査)の方式に落ち着いたとされる。

 大法廷も今回の判決で、国民審査の権利が憲法で保障されている事情として、最高裁に違憲立法審査権が付与されていることに言及した。国側は訴訟で「国民審査は議会制民主主義において不可欠の制度とは言えない」などと制度の意義を否定するかのような主張を展開したが、大法廷は三権分立の観点から国民が司法をチェックする制度の重要性を強調した。

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