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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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ウクライナ紛争からの食糧危機 広がる負の連鎖 インドへ波及

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ウクライナ南部ミコライウで輸出用の船に積み込まれる穀物=2013年7月、ロイター
ウクライナ南部ミコライウで輸出用の船に積み込まれる穀物=2013年7月、ロイター

 ロシアがウクライナ南部の主要港を制圧したことにより、穀物の生産大国ウクライナからの輸出が滞っている。連鎖反応を受け、小麦の生産量世界2位のインドが輸出の一時禁止に踏み切るなど、世界的な食料不足への懸念も高まるが、打開策はまだ見えない。

 ウクライナは小麦、トウモロコシなどの輸出大国で、通常ならば発展途上国を中心に、毎年、約4億人分の穀物を輸出している。現地からの報道によると、戦禍の中、今年も平年の約8割の穀物生産量を維持できる見通しだが、事実上、輸出がほぼ不可能な状態になっている。

次々と港が封じ込められ

 南東部マリウポリの港をロシア軍に制圧されたほか、包囲が続く南部オデッサでも港を閉鎖に追い込まれ、穀物輸出の9割以上を依存する海上輸送が途絶えているためだ。ロシア軍が敷設した機雷だけではなく、ウクライナ軍がロシア軍の上陸を阻止するために敷設した機雷も輸送を困難にしている。国際海事機関(IMO)によると、現在もウクライナ南部で民間船80隻以上が身動きできなくなっている。

 すでに、供給不足から世界的に小麦の価格は上昇し、アフリカなどの発展途上国では深刻な食料不足が懸念されている。海上封鎖で食料不足への懸念を高めさせるロシアの戦略は「食料の兵器化」だとして批判されている。世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長は米CNNなどの取材に「(黒海沿岸の)港が封鎖されているために、世界中の何百万人の人が死ぬことになる」と警鐘を鳴らす。

ロシアは自国の利益拡大か

 このような批判に対し、プーチン露大統領は26日、イタリアのドラギ首相との電話協議の際、自国の責任を否定する考えを伝達。露大統領府が協議の概要発表で明らかにした。

 一方、小麦の価格上昇は、ウクライナと合わせて世界の小麦輸出の約4…

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【ウクライナ侵攻】

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