仲間のために走り続ける日本代表・前田大然 原点は母との謹慎生活
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母と過ごした苦悩の日々が、プレースタイルを確立させた。11月開幕のサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会。日本代表入りを目指すFW前田大然(24)=セルティック=には、仲間のために走り続ける異次元の脚力がある。その原点には高校時代の挫折に寄り添い、大阪と山梨を毎週、行き来した母の献身があった。
何度も高速のダッシュを繰り返す持久力で本場のファンをうならせた。スコットランド・プレミアリーグの強豪セルティック。前田は2021~22年シーズン途中の加入ながら主力に定着し、2季ぶりのリーグ優勝に貢献した。快足と無尽蔵のスタミナを兼備し、攻守にハードワークする姿勢は高く評価された。しかし、少年時代は現在のスタイルとは違っていた。
高校1年の冬、その後のサッカー人生を大きく左右する出来事が起きた。「学校へ来てください」。前田が寮生活を送る山梨学院大付高(現山梨学院高)から、大阪に住む両親に突然、呼び出しの電話があった。父伸幸さん(58)は記憶を巡らせる。「あいつなんかしよったなって。中学の時もやんちゃで、前から嫌な予感もしていたので……」
前田はサッカー部で問題を起こし、謹慎処分を言い渡された。部内で規律を乱す行為があり、無期限で部活動への参加を禁止する処分が下された。いつ戻れるかもわからない。「これからどうするの?」。母の幸枝さん(54)は問うた。…
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