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戦争に翻弄されるアートの運命 「ゲルニカ」の怒り、再び 原田マハさんに聞く

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「ゲルニカ」の複製タペストリーの前で国旗を掲げる、ウクライナを含む欧州の国連大使ら=米ニューヨークの国連本部で2022年2月25日、レンカ・ホワイト撮影
「ゲルニカ」の複製タペストリーの前で国旗を掲げる、ウクライナを含む欧州の国連大使ら=米ニューヨークの国連本部で2022年2月25日、レンカ・ホワイト撮影

 実在の画家や名画をテーマにした「アート小説」で人気の作家、原田マハさん(59)は今年3月、フランス・パリにいた。ロシアが侵攻したウクライナから約2000キロという花の都で、「芸術と戦争」やピカソの名画「ゲルニカ」について考えていたという。帰国したばかりの原田さんを直撃した。

 ウクライナ侵攻から10日ほどたった3月5日、原田さんはパリに降り立った。1年に3、4回はパリを訪れ、あまたの巨匠を生んだ地にある書斎で創作している。ゴッホやルソーらを登場させ、時にはミステリアスに彼らの人間性をあぶり出す骨太な小説は、原田さんの専門性が存分に発揮されている。

 訪仏10日目、原田さんは主にロシアの国立美術館の所蔵品約200点を集めた「モロゾフ・コレクション」展を再訪した。「モネ、ルノワール、ゴーギャンらフランス画家の作品が多いコレクションです。数年前、『作品をフランスに里帰りさせよう』と企画が持ち上がり、ようやく実現したそうです」

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