「平和の希望に」古伊万里の破片“里帰り” 第二次大戦で旧ソ連が破壊

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ロースドルフ城で破壊されたまま保存されてきた陶磁器=佐賀県有田町の九州陶磁文化館で2022年5月27日、西脇真一撮影
ロースドルフ城で破壊されたまま保存されてきた陶磁器=佐賀県有田町の九州陶磁文化館で2022年5月27日、西脇真一撮影

 オーストリアの古城で第二次世界大戦時に破壊された後も保存されてきた江戸時代の磁器「古伊万里」などを集めた「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」が28日に佐賀県有田町の県立九州陶磁文化館で始まる。古伊万里の他、中国や欧州で作られた陶磁器の破片なども並び「戦争遺産」としての性格も帯びる異例の展示。戦争や紛争のたびに貴重な文化財が失われるという今につながるテーマだ。

 古伊万里は江戸時代に今の佐賀県有田町で生産が始まった磁器の総称。同県の伊万里港から積み出されたことからその名がついた。ウィーン近郊のロースドルフ城には、城主のピアッティ家が長年収集した「金襴手(きんらんで)」と呼ばれる豪華な装飾が施された古伊万里の大皿やつぼ、中国や西洋の磁器類が飾られていた。

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