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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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ロシア軍ドローンから日本製部品、次々と…「軍事転用」に企業動揺

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ロシア軍のドローン「オルラン10」から取り出されたキヤノン製と推察される一眼レフカメラが取り付けられたカメラユニット=ツイッターのアカウント「ArmyInform」が投稿した動画のスクリーンショットより
ロシア軍のドローン「オルラン10」から取り出されたキヤノン製と推察される一眼レフカメラが取り付けられたカメラユニット=ツイッターのアカウント「ArmyInform」が投稿した動画のスクリーンショットより

 ウクライナで墜落したロシア軍のドローン(小型無人機)から日本製の部品が次々と見つかっている。軍事転用の恐れがある製品や技術の輸出は、国際的な枠組みで規制され、違反すれば罰則や制裁を受ける恐れがある。おりしもロシアのウクライナ侵攻を機に主要7カ国(G7)が対ロシア輸出規制を強めているところだ。企業の言い分は。そして政府はどう対応するのか。

ウクライナ国防省の投稿動画に映ったもの

 「キヤノンだ」

 短文投稿サイト「ツイッター」に4月11日に投稿された動画で、ロシア軍の偵察ドローンを解体するウクライナ軍兵士が、日本製とみられる一眼レフカメラを取り出してつぶやいた。

 動画の映像は鮮明ではないものの、尾翼の折れたロシア軍の偵察ドローン「オルラン10」から取り外された一眼レフカメラのロゴはキヤノンのものと分かる。

 この動画を投稿したアカウントは「ArmyInform」。在日ウクライナ大使館によると「ウクライナ国防省の公式な報道機関のアカウント」という。

 4月15日にはウクライナ軍の兵士個人のユーチューブチャンネル「Operator Starsky」にも同型の偵察ドローンの解体動画がアップされた。取り出されたカメラは「Canon」と「EOS 800D」のロゴがはっきりと確認できた。

 キヤノンに問い合わせると、広報担当者は「実際に製品を確認できないため当社製であるとの保証はできないが、写真を見る限りでは当社のロゴが確認できるので、特殊な細工などがされていない限り、当社製と推察する」と語った。

 墜落したドローンに搭載された日本製部品はまだある。

 キヤノン製カメラ近くの通信ケーブルに接続された部品は、コネクター専門メーカーの本多通信工業(東京都品川区)の製品だった。同社は5月10日に動画を確認したといい、「模倣品でない限り、当社製品とみられる」との見解を示した。

 さらにドローンのエンジンは、大型無線操縦装置のエンジンを開発している斎藤製作所(千葉県市川市)の製品だった。同社は毎日新聞の取材に「いくつかの撃墜写真を確認したところ、弊社製品に相当の改造が施された形跡が見られた。改造はうかがい知るものではなかった」と同社製品が軍事転用されていることを認めた。

輸出規制違反なら「企業の存亡」リスク

 「映像を見て正直驚いた。『やめてくれ』というのが本音です」。本多通信工業の担当者は頭を抱えた。

 企業が神経をとがらせるのには理由…

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【ウクライナ侵攻】

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