人ごとではないハイブリッド戦争 狙われる「お金持ちの高齢者」

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写真はイメージ=Getty Images
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 ロシア軍によるウクライナ侵攻は「ハイブリッド戦争」とも呼ばれる。リアルな軍事作戦だけでなく、バーチャルな空間でもウイルスやデマによるサイバー攻撃が繰り返されるからだ。地続きであるサイバー空間は民間人も人ごとではなく、迷惑メールなどを通して、高齢者が巻き込まれることもある。私たちはどのように身を守ればよいのか。国際刑事警察機構(ICPO)サイバー犯罪対策組織の元総局長、中谷昇氏(53)=現・Zホールディングス常務執行役員=に聞いた。【聞き手・後藤豪】

「お金を持っている高齢者」が

 ――ロシア軍のウクライナ侵攻はサイバー空間にはどのような影響を与えていますか。

 ◆今回のウクライナ侵攻では、ウクライナ軍が「IT部隊」を創設し、ロシア軍がウクライナ政権をネオナチと呼び、さまざまなデマを流布するなど、サイバー空間でロシアとウクライナが激しい応酬をしています。「民主主義陣営対覇権主義国家」というブロック対立の図式がサイバー空間でも鮮明になった形です。

 ――日本には、どのような影響がありますか。警察庁が2022年4月に公表したデータによると、21年に全国の警察が検挙したサイバー犯罪は1万2000件を超え、過去最多となりました。

 ◆日本でサイバー犯罪の被害に遭っているのは、どちらかというと…

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