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知床観光船事故

2022年4月23日、知床半島沖で観光船が沈没。乗客乗員計26人のうち20人が死亡、6人が行方不明に。

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避難港「文吉湾」活用を周知 知床観光船事故受け 北海道・斜里

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北海道斜里町がカズワンの沈没事故を受けて出した文書。緊急時の避難先として把握するように呼びかけている=2022年5月24日午後7時46分、飯田憲撮影
北海道斜里町がカズワンの沈没事故を受けて出した文書。緊急時の避難先として把握するように呼びかけている=2022年5月24日午後7時46分、飯田憲撮影

 あの港に避難していれば――。北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、地元の漁業関係者らがそう口をそろえて語る場所がある。地元で「文吉(ぶんきち)湾」と呼ばれている避難港だ。半世紀以上前に同じ海域で起きた遭難事故を機に整備され、現在も半島の先端部付近にただ一つしかない避難用の港だという。新たな事故を重くみた斜里町は漁業や観光船の事業者に対してその役割を改めて周知した。

 斜里町のウトロ地区の漁師、岩波元吉さん(70)はカズワンの事故後、ずっと心を痛めている。事故が発生した4月23日。一報を聞き、すぐに脳裏をよぎったのは1966年に同じ海で起きた遭難事故だ。低気圧による大シケで、ウトロ地区沖で操業中だったイカ釣り漁船2隻が遭難、計25人の死者、行方不明者が出た。2隻とも無理な航行で避難が遅れたとみられている。

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【知床観光船事故】

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