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広島・長崎原爆

1945年8月、広島・長崎へ原爆が投下されました。体験者が高齢化するなか、継承が課題になっています。

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思うように動かぬ手で 反戦漫画家・西山進さん 露へ満身の1コマ

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ロシアが核兵器使用を示唆してウクライナを侵攻している情勢を踏まえ、西山進さんが描いた漫画(西山さん提供)
ロシアが核兵器使用を示唆してウクライナを侵攻している情勢を踏まえ、西山進さんが描いた漫画(西山さん提供)

 「もどかしいどころか……」。福岡市の介護施設で暮らす反戦漫画家、西山進さん(94)の電話口の声は悔しさに満ちていた。ロシアが核兵器使用を示唆してウクライナを侵攻していることに長崎の被爆者として強い憤りを感じているのに、手が思うように動かず、漫画が描けなくなったためだ。

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の月刊紙「被団協新聞」で42年間連載した4コマ漫画「おり鶴さん」は、2021年5月の501回を最後に休載せざるを得なくなった。6年前に胃がんの手術を受け、肺や腎臓の機能も低下。歩くこともできなくなった。「手先がだめだ。描けないのは本当に残念だ」と声を震わせた。

 西山さんは「プーチン大統領は核兵器の怖さが分かっていない」と語気を強めた。77年前、米軍が原爆を投下した翌日、勤務していた長崎市の三菱重工長崎造船所の上司に命じられ、爆心地近くの工場へ救援に向かった。途中、5人の子供が目を押さえた姿で丸焼けになり、母子が真っ黒焦げになって倒れていた。

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【広島・長崎原爆】

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