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300円や500円、時には1000円の商品も当たり前になった100円ショップ。原材料費や輸送コストの上昇、急激な円安などの逆風もあり、「100均」は実態から離れた過去の言葉になっていくのかもしれない。そんな中、大手4社で唯一100円均一を維持するのがダイソーに次ぐ業界2位のセリア。原点を守ろうとするその姿勢を支えているのが、着実に売れ筋商品を絞り込む仕組みとSNS(ネット交流サービス)を使わないなど「逆張り」とも言える戦略だ。【増田博樹】
千葉県市川市のセリア・ニッケコルトンプラザ店。3月に改装した約800平方メートルの広い売り場には、収納、衛生用品などの定番のほか、おしゃれでかわいらしい雑貨や各種手作りグッズが数多くそろう。セリアは女性の支持率が高いと言われるが、商品構成を見ると納得がいく。
値段は今もすべて100円均一だ。業界を見渡せば、ダイソーを展開する最大手の大創産業はもちろん、3位のキャンドゥ、4位のワッツも100円超の商品を普通に扱っている。品ぞろえの拡充に力を入れる大創産業は複数の300円ショップ業態を拡大する方針を4月に発表したばかりだ。加えて業界には原材料など各種コスト高や円安がのしかかる。そうした中での孤軍奮闘である。
ぎりぎりで100円均一を維持しているのだろうと思うところだが、実はそうではない。逆に業績はほぼ右肩上がりで、2022年3月期決算は、売上高が過去最高の2080億円。特筆すべきは売上高営業利益率(本業のもうけの営業利益が売上高に占める割合)で、10・1%と小売業界では突出している。競合他社をみると、非上場の大創産業は不明だが、キャンドゥ(21年11月期)は1・3%、ワッツ(21年8月期)は3・3%にとどまる。
業績を支えているのが独自のシステムだ。セリアは…
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