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ロシアによるウクライナ侵攻は長期化し、多くの市民の命と生活を奪っている。ソビエト連邦(ソ連)の刑法を長年研究してきた三重大元副学長で名誉教授の上野達彦さん(74)は、ソ連崩壊前夜の激動するロシアに新しい民主主義の芽吹きを感じていたという。ならば今の指導者の狂気に何を思うのか問うと、「許せない。しかし、ロシアはけしからん一辺倒で事は済まない」と複雑な思いを吐露した。【太田敦子】
「プーチン氏を追い詰めたのは…」
「寄稿できないか」。上野さんから電話があったのは4月だった。友人の恩師という縁で知り合ってから30年になるが、ここ10年近くは会っていなかった。かつて研究のためロシアとウクライナを訪れ、双方の研究者とも交流があったという上野さん。あのとき見た町並みが破壊されていくのはいたたまれず、何も発信できないのがもどかしい――と胸の内を明かした。
上野さんは10年ほど前に神経の難病、パーキンソン病と診断された。最近は骨折や病気の進行で歩行にも困難が伴う。少しでも進行を遅らせるためリハビリに励んでいるという。40年余り刑法を通してロシアと向き合ってきた法学者が、今の状況をどう見るのかぜひ聞いてみたい。上野さんにインタビューを申し込んだ。
上野さんは津市の自宅で開口一番、「ウクライナ侵攻は間違った方法で、ロシアの戦争行為は許せない」と語気を強めた。「日本もそうだったが、資本主義が粗野だった時代、不景気になると戦争を起こしてマーケットを確保しようとした。非常に強盗的というか。今は21世紀なのに同じことを繰り返すのか。人間の進歩を考えてみろ、と言いたい」と憤った。
「プーチン大統領が表面的にはかなり狂気の沙汰を表しているが、それは西側諸国からのかなり強い挑発があったからだろう。そこまで追い詰めたのは一体誰なのか。…
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