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探査機「はやぶさ2」がリュウグウで試料を採取して持ち帰る6年の旅を完遂。分析や次のミッションを解説。

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リュウグウ試料から「多量の水」 海の起源、謎解明の手がかりか

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探査機はやぶさ2のカプセル内の容器に入っていたリュウグウの砂粒=JAXA提供 拡大
探査機はやぶさ2のカプセル内の容器に入っていたリュウグウの砂粒=JAXA提供

 探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った試料に多量の水が含まれていたとの分析結果を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や北海道大などの分析チームが9日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。地球の水は太古に小天体が衝突してもたらされたという説があり、海の起源の謎を解く鍵になる可能性がある。

 チームは、採取された砂や石の化学組成を精密に測定。主な成分は水を含む粘土鉱物で、他に炭酸塩鉱物や硫化鉄なども含んでいた。水は質量比で全体の約7%を占めた。液体の水ではなく、ほとんどが酸素と水素の原子が結合した水酸基(OH)の状態で存在していたが、水分子(H2O)も確認された。

 リュウグウは、約46億年前の太陽系の誕生から間もないころにできた小天体が壊れてできたと考えられている。小天体に約40度の水があったとすると、これらの鉱物ができた理由がうまく説明できるという。

小惑星リュウグウで試料採取するJAXAの探査機「はやぶさ2」のイメージ=JAXA提供 拡大
小惑星リュウグウで試料採取するJAXAの探査機「はやぶさ2」のイメージ=JAXA提供

 一方、試料の中の酸素原子は、地球の海の水と比べ、重い酸素の割合が少しだけ高かった。そのためリュウグウと同質の小天体が衝突するだけでは、海と同じ水ができるとは言えないという。

 太古の地球はドロドロに溶けたマグマのような状態だったと考えられ、どうやって水が運ばれたかは謎の一つだ。水を含む粘土鉱物からなる「炭素質隕石(いんせき)」は地球上でも見つかっている。リュウグウの試料やこれらの隕石は、太陽系で最も原始的な物質と考えられ、こうした謎を解く手がかりになるとみられる。

 また岡山大など別の研究チームは、リュウグウの試料からアミノ酸が計23種類見つかったとする論文を10日付の学術誌「日本学士院紀要」に発表した。ヒトが体内で作れないバリン、ロイシン、イソロイシンなどの必須アミノ酸や、エネルギー代謝に関係するアスパラギン酸、うまみ成分のグルタミン酸などを検出したという。【池田知広】

【はやぶさ2】

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