「あんたバカぁ?」悪口とは何か 言葉のダークサイドを解剖する

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「言語のダークサイド」を研究する南山大准教授の和泉悠さん
「言語のダークサイド」を研究する南山大准教授の和泉悠さん

 悪口はなぜ悪いのか。この問いに対して「人を傷つけるから」と答えるだけでは不十分だ、と南山大准教授の和泉悠さん(39)は言う。今年刊行された著書「悪い言語哲学入門」(ちくま新書)では、「言語のダークサイド」に立ち向かうべく「悪さ」のメカニズムを丁寧に解き明かす。罵詈雑言(ばりぞうごん)にウソ、デマ、ヘイトスピーチ。日常にあふれる「悪い言葉」をめぐる探究は、言葉を交わすことで形作られる社会そのものに迫る。

 言葉はあまりにも身近で、「たわいもないもの」と捉えられがちだ。しかし「私たちは思ったより言葉について理解していない。言葉を解剖することで、その言葉がどんな影響を持つのかを冷静に考えることができる」と和泉さん。専門の言語哲学は、言葉という現象を科学的に分析する言語学に加え、哲学的なアプローチを武器とする。ダークな言葉に向き合う時、「哲学が必ず役に立つ」。なぜなら哲学は「善悪の基準を明確に提示し、なぜ良くないかというところにまで踏み込んで説明できる」からだ。本書は人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に何度も登場するセリフ「あんたバカぁ?」をはじめ、豊富な事例を取り上げる。

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