特集

ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

特集一覧

マクロン氏の対露発言で仏大統領府が火消し 「譲歩の意図ない」

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
フランスのマクロン大統領 拡大
フランスのマクロン大統領

 ウクライナに侵攻を続けるロシアに融和的だとしてウクライナなどから批判を受けたフランスのマクロン大統領の発言について、仏大統領府高官は10日の電話記者会見で、「マクロン氏はロシアに譲歩するような意図はない。フランスはウクライナの勝利を望んでいる」と釈明した。

 マクロン氏は4日の仏紙パリジャンなどのインタビュー記事で「停戦時に外交を通じて出口を構築できるよう、ロシアに屈辱を与えるべきではない」と発言。ウクライナのゼレンスキー大統領は領土割譲などロシアへの妥協を促す発言だと受け止め、「領土をやすやすと譲るには、既にあまりに多くの人々が犠牲になっている」などと反発した。東欧やバルト諸国からも、フランスはウクライナが領土を損なうことになっても早期停戦を望んでいるとして、批判の声が上がっていた。

 仏大統領府高官は10日の電話会見で、フランスの立場について「ウクライナの領土の一体性の回復を支持し、ロシアによる戦争をできるだけ早く終わらせることだ」と強調。マクロン氏が積極的な関与を示すため、6月14、15日にウクライナと接するルーマニアとモルドバを訪問する予定だと明かした。マクロン氏はウクライナへの訪問にも意欲を示しているという。

 マクロン氏はゼレンスキー氏との9日の電話協議で、ウクライナ軍に重火器を含む武器を供与することを表明した。ロシアに融和的だとするウクライナ側の懸念を払拭(ふっしょく)する意図もあるとみられる。【パリ久野華代】

【ウクライナ侵攻】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集