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明石市長「あまりにも冷酷で理不尽」 長崎市の欠格条項失職批判

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オンライン取材で長崎市の対応について思いを語る兵庫県明石市の泉房穂市長=長崎市で2022年6月9日午後4時20分、樋口岳大撮影
オンライン取材で長崎市の対応について思いを語る兵庫県明石市の泉房穂市長=長崎市で2022年6月9日午後4時20分、樋口岳大撮影

 長崎市が、成年後見制度の保佐人を付けたことを理由に精神疾患のある50代女性職員を失職させた対応について、兵庫県明石市の泉房穂(ふさほ)市長(58)が短文投稿サイトのツイッターで「あまりに理不尽だ」などと批判した。明石市は2016年に市職員が後見人や保佐人を付けても失職しないとする条例を独自に制定した。足が不自由な弟の学校生活を支える少年時代を過ごし、弁護士、社会福祉士でもある泉市長に話を聞いた。【聞き手・樋口岳大】

 ――長崎市の対応に何を感じるか。

 ◆あまりにも冷酷で理不尽だ。成年後見制度を利用したからといって、公務員に退職を強いるようなことは許されない。行政としてやってはいけない対応で人権侵害だ。

 成年後見というのは福祉制度。財産管理について判断能力が低下した人を支援する、当事者にとって「プラス」の制度だ。なのに利用することで失職させるなど「マイナス」になるようなことをしてはいけない。

 成年後見制度をスタートさせた時の国の法律の作り方がそもそもの原因だ。明治期以来の家父長制に基づく理不尽な禁治産・準禁治産制度があって、それを改正する形で成年後見制度をスタートさせたのだが、地方公務員法や公職選挙法など多くの法律で「禁治産」といった言葉を「成年後見」に置き換えただけで欠格条項を維持したのが誤りだった。

 ――明石市は16年に職員が後見人や保佐人を付けても失職しないとする条例を制定した。その経緯は。

 ◆私自身が1997年に弁護士になり、00年に介護保険制度とともにスタートした成年後見制度に当初は大きな期待を抱き、10人以上の後見人にもなった。しかし、…

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