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「あすの宇宙は大荒れになりそう」――。宇宙天気予報と呼ばれるシステム整備の強化に、日本や各国が乗り出している。もちろん、宇宙にくもりや雨の日があるわけではない。「宇宙天気」とは何を指すのか、私たちの生活にどんな関係があるのだろう。
東京都小金井市にある、情報通信研究機構(NICT)の宇宙天気予報センター。約10人の研究者が、数十種類のモニターを24時間体制で監視している。
モニターに映るのは、時々刻々と変化する太陽表面の様子、地球の上空数十キロに分布する電離圏の状態などだ。これらをもとに「静穏」「活発」といった予報を1日最低1回、航空会社や電力会社などの担当者約7800人に電子メールで配信している。
実は、宇宙空間は「空っぽ」ではない。太陽からさまざまなエネルギーや粒子が飛んできており、地球を包む大気の層や磁場に影響を及ぼしている。この状態を表すのが「宇宙天気」だ。
とくに警戒しなければいけないのが「太陽フレア」と呼ばれる爆発現象だ。太陽表面の黒点の近くで起き、その炎は地球がすっぽり入るほど巨大だ。
爆発が起きると、まず8分後、エックス線などの強い電磁波が地球に到達する。約30分後以降は、高いエネルギーを持つ粒子、さらに2~3日たつと、高温で電気を帯びたプラズマが押し寄せる。これらは「太陽嵐」と呼ばれ、宇宙天気は「大荒れ」となる。
インフラに深刻な影響、停電も
なぜ宇宙天気予報が重要なのか。…
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