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「いつまで頑張ればいいのか」 コロナ禍で深まった妊産婦の孤立

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次男を出産し、産後ケアを利用している土屋みゆきさん=東京都練馬区の「つむぎ助産所」で2022年6月2日午後3時54分、寺町六花撮影
次男を出産し、産後ケアを利用している土屋みゆきさん=東京都練馬区の「つむぎ助産所」で2022年6月2日午後3時54分、寺町六花撮影

 妊娠中や産後の女性の10%程度にうつ病が見られるほど、心身の変調を来しやすい出産。だが新型コロナウイルス感染の広がりで、母親たちへの支援は滞りがちになっている。厚生労働省に助言する専門家組織は、コロナによる重症化リスクが低くなっていることを踏まえ、出産立ち会いや家族との面会の再開を促す提言をまとめたが、コロナ前の日常にはまだ戻っていない。

妊娠を周囲に明かせず

 感染への不安と隣り合わせの妊娠期間だった。東京都練馬区の「つむぎ助産所」で5月上旬に第4子となる次男を出産した団体職員の土屋みゆきさん(42)。これまでの妊娠では、友人と外食をしたり、家族でベビー用品の買い物に出かけたりすることが楽しみだったが、今回は気軽に外出もできなかった。コロナのニュースを見ると「無事に産めるのか」と不安が募り、妊娠したことを友人に言えなかった。

 臨月を迎えた4月には夫がコロナに感染し、療養施設で10日間隔離に。土屋さんは陰性だったが、3人の子どもの世話に一人であたる「ワンオペ」になった。産後、週1回、助産所のデイケアを訪れ、次男を預けて体を休めており、「気分が落ち込むタイミングで来ているけれど、励ましてもらえて本当にありがたい」と話す。ただ、妊娠中からの日々を「第1子だったら不安しかなかったと思う」と振り返る。

 つむぎ助産所の渡辺愛所長は、感染拡大が始まって1年が過ぎた頃から、産後の乳房ケアに訪れる多くの母親が「いつまで頑張ればいいのか」と涙をこぼす姿を目の当たりにした。妊娠中から感染対策に追われ、退院後、実家の親も頼れない。孤独な出産・育児をする母親たちが追い詰められていると感じたという。

医療スタッフも苦慮

 妊娠中や産後は、精神疾患の発症や再発、悪化を招きやすいと言われる。特に産後は、育児のストレスや生活環境の変化が大きいため心身の変調を起こしやすく、妊娠中や産後の女性の10%程度にうつ病が見られる。母親の精神状態は、子どもの情緒や発達にも影響を与える。

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