目力でも引き付けた 本屋大賞受賞作「同志少女よ、敵を撃て」

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自身がカバーイラストを手がけ、2022年の本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬著、早川書房刊)を手にするイラストレーターの雪下まゆさん=東京都渋谷区で2022年5月16日、前田梨里子撮影
自身がカバーイラストを手がけ、2022年の本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬著、早川書房刊)を手にするイラストレーターの雪下まゆさん=東京都渋谷区で2022年5月16日、前田梨里子撮影

 2022年本屋大賞を受賞した逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)は、累計発行47万部を超えるベストセラーとなっている。内容への評価も高いが、銃を構える青い瞳の少女のカバーに引き付けられ、書籍を手に取った人も多いのではないだろうか。カバーイラストを手掛けたのは、気鋭のイラストレーターでデザイナーの雪下まゆさん(26)。「目力」を持つ一冊が生まれた背景を探った。【諸隈美紗稀】

ターゲットは女性

 物語は独ソ戦が激化する1940年代が舞台。ソ連で狙撃兵として鍛え上げられた主人公の少女セラフィマの視点で、戦争が描かれている。「敵」とは一体何なのかと、スコープをのぞく少女は考える。21年にミステリー小説の新人賞、アガサ・クリスティー賞を受賞し、単行本化された。

 カバーイラストのイラストレーターに雪下さんの起用を決めたのは、偶然にも同い年で早川書房の編集担当者、茅野ららさん(26)だった。戦争小説の読者は男女比が3対2だというが、それを五分五分にするため、カバーのデザインを「女性が手に取りやすいものにしたい」と考え、頭に浮かんだのが雪下さんだった。

 それまで早川書房の書籍を雪下さんに依頼したことはなかった。しかし、…

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