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東京都立川市は、市立施設「砂川学習館」の建て替えに伴い、1950~70年代に旧米軍立川基地の拡張計画を住民らが阻んだ「砂川闘争」などの実物資料の展示を取りやめる方針を示している。「地域の歴史を学ぶ場がなくなる」と危機感を募らせた住民らが連絡会を結成し、展示の拡充を求める呼びかけを始める。
砂川学習館の建物は、旧砂川町役場があった場所に73年に整備。生涯学習や子育て支援の拠点などとして活用されてきた。2010年に1階で空きスペースが生まれ、住民の意見を取り入れながら、砂川闘争や伝統産業だった養蚕の資料を展示する「砂川地域歴史と文化の資料コーナー」(床面積約28平方メートル)を設けた。砂川闘争については、測量隊や警官隊の接近を知らせるために住民が鳴らした半鐘、当時の様子を撮影した写真パネル、油彩画などを常設展示している。住民が結成した基地拡張反対同盟の手ぬぐいには、「土地に杭は打れても 心には杭は打れない」(原文ママ)というスローガンが染め抜かれている。
立川市教育委員会によると、新しい施設は23年に工事を始め、25年度にオープンする予定だ。コストを削減するため施設全体の床面積を約20%減らす方針で、新施設の展示機能は2階の壁面を使って確保する。壁面展示の内容は、江戸時代の新田開発から、砂川闘争を含む現代までの砂川地域の歴史を伝え、情報通信技術(ICT)の活用も考えている。これまで実物展示してきた資料は新施設では常設展示せず、市の歴史民俗資料館に…
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