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クリスマスに「希望の光」 女性カップルが司法に問う家族の未来

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同性カップルの「婚姻の自由」を国に求めている坂田麻智さん(右)とテレサさん。大阪地裁の判決を前に、同性婚への思いを語った=京都市下京区で2022年5月28日、山崎一輝撮影
同性カップルの「婚姻の自由」を国に求めている坂田麻智さん(右)とテレサさん。大阪地裁の判決を前に、同性婚への思いを語った=京都市下京区で2022年5月28日、山崎一輝撮影

 愛し合ったふたりが同じ性別というだけで、なぜ法律は結婚を認めてくれないのだろうか。ある女性カップルが婚姻の自由を国に求める民事裁判の判決が20日、大阪地裁で言い渡される。この夏に至福の時を迎えようとしているのに、将来への不安が尽きない。「私たちは家族になって、幸せに暮らしたいだけです」。訴訟で問われているのは、「性的少数者の尊厳」だ。

 5月下旬、京都市内の古民家を訪ねると、会社員の坂田麻智(まち)さん(43)と米国籍のテレサさん(39)がにっこり笑って迎えてくれた。2人は9年前に購入したこの町家で、愛犬のロージーとともに生活している。室内はリノベーションされ、2人のウエディングドレス姿を収めた写真も並ぶ。

 2人は2008年に友人を通じて出会った。同じ価値観で話が弾み、英語が堪能な麻智さんにテレサさんもすぐ心を開いた。間もなく交際が始まり、「生涯の伴侶」になることを誓い合った。

パートナーシップ、同性婚とほど遠く

 日本での生活を続けながら、「家族」になる選択肢はあるのか。2人で導き出した結論は、同性婚が法制化された米国での結婚だった。2人は15年、テレサさんの母国で結ばれたが、同性どうしの婚姻を認めていない日本では効力がない。

 東京都渋谷区と世田谷区が性的少数者のカップルを婚姻に準じる関係と公的に認める「パートナーシップ制度」を創設した15年以降、日本でも理解は広がりつつある。認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」(大阪市)などの調査によると、200超の自治体がこの制度を取り入れ、約2800組が利用する。京都市も約2年前に制度を導入し、麻智さんとテレサさんは宣誓した。

 自治体から宣誓書を受け取れば一部の行政支援を受けられるメリットもあるが、婚姻とは異なるため、法的な不利益は残る。法律婚の配偶者を対象にする税制上の優遇措置は受けられず、法定の相続人にもなることはできない。

不安尽きない「不利益」

 「同性愛者というだけで、なぜ好きな人と家族になれず、法的に保護もされないのか。これが差別でないとしたら何なのか」

 2人は19年2月、同性婚が認められないのは「婚姻の自由」や「法の下の平等」を保障した憲法に反するとして、国に1人当たり100万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。香川や愛知で暮らす同性カップル2組4人も原告団に名を連ね、国会に立法化を促す司法判断を願う。

 「人生で最高のクリスマスプレゼント」が麻智さんとテレサさんにもたらされたのは、2…

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