命を預かる福祉の現場の裏で 常態化する「ワンオペ夜勤」

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障害者の短期入所施設でのワンオペ夜勤中に亡くなった男性の父親(手前右)。施設の代表らとともに取材に応じ、息子への思いなどを静かに語った=名古屋市内で2021年12月21日午後1時34分、加藤沙波撮影
障害者の短期入所施設でのワンオペ夜勤中に亡くなった男性の父親(手前右)。施設の代表らとともに取材に応じ、息子への思いなどを静かに語った=名古屋市内で2021年12月21日午後1時34分、加藤沙波撮影

 2020年、名古屋市の障害者入所施設で働く30代男性が命を落とした。1人での夜勤業務中に倒れ、発見されたのは朝だった。この死をきっかけに愛知県内の福祉従事者でつくる労働組合などが21年秋に実施した調査には「1人で夜勤をしている」という人たちからの悲痛な声が寄せられた。「ワンオペ夜勤」がはびこる福祉の現場を取材した。【加藤沙波】

 30代後半だった男性は20年11月、障害者の短期入所施設で夜勤中に倒れた。午後5時に勤務を開始し、翌日午前9時、施設入所者を迎えに来たヘルパーに発見された。救急搬送されたが、間もなく死亡。死因はくも膜下出血だった。

 異変が起きた当時、2人の入所者がいた。1人は肢体不自由で知的障害があり、倒れた時に出たと思われる大きな物音を聞いていたが、何が起きたのか分かっていなかった。もう1人は重い知的障害があり、ヘルパーが朝来た時には部屋の隅で不安そうにうずくまっていたという。

 男性の死を機に、過酷な労働環境の改善に動き始めた人がいる。死亡した男性の同僚だった加藤弘高さん(40)だ。「1人勤務で職員に何かあったら危険だと漠然と思っていたが、こんなことが身近で起…

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