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全国各地で悪質な「あおり運転」が相次いでいます。もしも、あおり運転をされた時には、どう行動したらいいのでしょうか。巻き込まれないために普段から心がけるべきことなど、対策をまとめました。【岩本桜】
目次
1.あおり運転に遭遇したら
2.あおり運転をする人の特徴
3.ドライバーの5割が「あおり運転された経験あり」
あおり運転に遭遇したら
あおり運転とは、「他の車の走行を妨害する目的」で車間距離を詰めたり幅寄せしたりする行為です。危険な運転をされると慌ててしまいそうですが、なるべく落ち着いて行動し、次の対応を取ってください。
・人目のある駐車場やパーキングエリアなどに移動
・車を止めてドアの鍵をロック
・110番し、警察官が来るまで車内で待つ
・ドライブレコーダーなどで撮影する
事故の危険性があるため、道路上での停車は避けてください。人目のある場所に車を止めることで、相手の行動を抑制できる可能性があるほか、トラブルになった時に周りの人が警察に通報したり、トラブルの状況を証言してくれたりすることが期待できます。
万が一、相手が挑発してきても不用意に車外へ出ないでください。相手から暴力を振るわれる恐れがあるほか、自分もカッとなってしまい、更なるトラブルに発展する可能性もあります。
ドライブレコーダーの活用も有効です。相手の行為を録画することで、相手が現場からいなくなっても捜査に役立てられます。自分に非がないことを証明できるほか、あおり運転の抑止効果も期待できます。
あおり運転をする人の特徴
あおり運転に詳しい九州大大学院の志堂寺和則教授(交通心理学)によると、あおり運転は二つのタイプに分けられるといいます。
衝動型…追い越しなどをされた時にカッとなって危険な運転をするタイプ
道具型…邪魔だと思う車にどいてもらおうと、あおり運転を「道具」として使うタイプ
あおり運転をする人は、自分があおったことがばれないと思い込んだり、車という「鉄のよろい」で守られているので自分は安全だと感じたりする傾向があるそうです。
志堂寺教授は「歩いている時は『少し道を空けてください』と声をかけるなどのコミュニケーションが取れますが、車では難しく、結果としてあおり運転が起きてしまう」と指摘します。車を運転する時は、次のことを意識しましょう。
・追い越し車線を走り続けることは道交法違反
・後ろに車が来た時は早めに道を譲る
・車間距離を十分に取り、急に割り込まない
・急発進、急停車をしない
ドライバーの5割が「あおり運転された経験あり」
チューリッヒ保険(東京)が2021年7月、全国のドライバー2230人を対象に実施した調査によると、5割の人が「あおり運転をされた経験がある」と答えました。
一方、警察庁が18、19年に133件の悪質なあおり運転(危険運転致死傷罪と刑法を適用した事件)を調べたところ、加害者の96%が男性で、単独乗車が78%でした。
あおり運転をしたきっかけは、「進行を邪魔された」が35%、「割り込まれた、追い抜かれた」が22%、「車間距離を詰められた」が8%――などです。被害者に何らかの邪魔をされたと認識しているケースが約9割を占めましたが、うち約半数は被害者の行為は確認されず、一方的な思い込みだったそうです。
あおり運転は、重大な事故につながる恐れのある危険な行為です。ドライバーは「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持った運転を心がけましょう。
※この記事は専門家への取材や政府広報オンラインなどを基にまとめました。