コロナ禍でも笑いを 国境なき芸能団長が試した「怖いやり方」

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誰もいない駐車場で建物に向かってパペットを操る笑福亭鶴笑さん=大阪府阪南市で2022年6月6日、北村隆夫撮影
誰もいない駐車場で建物に向かってパペットを操る笑福亭鶴笑さん=大阪府阪南市で2022年6月6日、北村隆夫撮影

 「僕の声聞こえますかー?」。誰もいない駐車場で建物に向かって呼びかける男性の姿があった。

 笑福亭鶴笑さん。人形を操る「パペット落語」の創始者として知られる。「国境なき芸能団」の団長として、世界の紛争地や被災地に笑いを届けてきた猛者だ。

 誰もいないといっても稽古(けいこ)ではない。この日は本番で、新型コロナウイルス禍で笑いを届けるための挑戦をしていた。落語家としては怖いやり方だという。呼びかけても返事が聞こえないのだ。

 「安全ですからマスク取りますね。男前の顔が見えた方がいいでしょう」。マスクを外すと「着けたままの方がよかったですかー」。おどけた声が響くが、やはり静かなまま。それでも、ホッとした表情を浮かべた。笑い声を肌で感じたからだ。

厳戒の高齢者施設 思いついたのは

 行動制限が少しずつ緩和され日常が戻りつつあるが、高齢者施設では厳戒が続く。娯楽に外部の人を招くことは難しい。かつては年70~80件の慰問を続けていた鶴笑さんも、この2年間、一度も行けなかったという。…

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