「ご当地サーモン」養殖で活路を 秋サケ、マス不漁で 北海道

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漁港内のいけすから水揚げされたサクラマス=北海道木古内町で2022年6月14日午後1時6分、三沢邦彦撮影
漁港内のいけすから水揚げされたサクラマス=北海道木古内町で2022年6月14日午後1時6分、三沢邦彦撮影

 秋サケやスルメイカなど主要魚種の不漁が続く中、北海道が木古内町でサクラマスの養殖実証試験を行っている。14日には初水揚げが行われた。道南地方ではトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖も盛んで、新たな産業の定着や地域活性化に向けた取り組みが進んでいる。【三沢邦彦】

 木古内町で海面養殖の実証試験が始まったのは昨秋で、道は同町の釜谷漁港内に縦横5メートル、深さ3メートルのいけすを設置し、300~400グラムの稚魚約400匹を放流した。一冬を越え、サクラマスの体長は平均1・5キロに成長し、約300匹が水揚げされた。サクラマスの名称は「木古内産養殖活〆桜鱒」。実験は3カ年計画で行われる予定だ。

 道内では秋サケやマスの漁獲量の減少が続いている。道によると、サケの漁獲量は2003年の約23万トンをピークに、16年には約8万2000トンと10万トンを割り込み、20年には約5万トンにまで落ち込んだ。回遊魚の漁が不振で、漁業を取り巻く環境が厳しさを増す中、道水産振興課は「木古内で行った実証試験のデータを検証し、将来は養殖のノウハウを道内の他の海域に広げていきたい」としている。

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