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欧米ではマスクを外した生活が普通になっているのに対し、日本ではいまだにマスク着用が続いている。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、政府はマスクを外しても構わないという場面を例示したが、マスクを着けている人が多い。なぜ日本人はこれほどマスクを着けたがるのか。そのルーツは何か。マスク史に詳しい住田朋久・慶応大大学院社会学研究科訪問研究員に尋ねた。【聞き手・宇田川恵/オピニオングループ】
元々はファッションアイテムだった
――マスクの起源はどこにあるのですか。
◆近代のマスクの原形は1836年に英国で登場した。元々、呼吸器を患う人のために開発されたもので、鼻と口を布で覆い、布の中に格子状の金属が入った構造だった。患者が着用すると、温かく湿った空気を吸うことができたようだ。これが日本に輸入され、その後は国内でも製造された。1880年ごろまでには都市部で広がったという記録がある。
――今のマスクとの違いはあったのでしょうか。
◆初期のマスクは黒色。布製に加え、革製もあったようだ。現在のマスクは感染予防が目的で、誰もが着けるのは「同調圧力」のせいだと言われるが、当時の状況は全く異なっていた。日本ではこの頃、急速に近代化が進められており、西洋からやって来たマスクは先進性の象徴で、あこがれの存在でもあった。時代の先端をいく人がファッションで着用し、防寒を兼ねたトレンドアイテムとして一般の人にも広がっていったようだ。
感染予防のマスクは大阪が発祥?
――感染予防のために用いられたのはいつごろからですか。
◆19世紀末にアジアで「肺ペスト」が流行し、その対応について協議するため1899年にドイツで「ペスト会議」が開かれた。この時、マスクを推奨すべきかが議論されたが、科学的根拠が不明だったためか結論は出なかった。しかし、1900年ごろに大阪で感染が拡大し、同年1月に地元の医師らが死亡すると、検疫官がマスクを着けるようになり、大阪ではマスクが普及した。これが感染症対策のために人々がマスクを着けた初の出来事だった可能性がある。
つまり専門家らが推奨しなくても、日本人は…
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