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私が思う日本

東京に駐在する外国メディアの特派員らが見た日本の姿を伝えます。

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資源小国日本 エネルギー危機だからこそ目を背けて欲しくない現実

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シンガポール紙「聯合早報」東京特派員の符祝慧さん=東京都千代田区で2021年6月1日、藤井太郎撮影
シンガポール紙「聯合早報」東京特派員の符祝慧さん=東京都千代田区で2021年6月1日、藤井太郎撮影

 東京に駐在する外国メディア特派員らの目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第54回の執筆者は聯合早報(シンガポール)の符祝慧・東京特派員。ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー危機が叫ばれる中で、東京電力福島第1原発事故を経験した日本は、どのような道を目指すべきなのか。日本のエネルギー問題について考えた。

 2011年3月11日、三陸沖を震源とする東日本大震災が起きた。地震の規模を示すマグニチュード(M)は9・0。震災による津波で東京電力福島第1原発では前例のない原発事故が起きた。3月30日、私は原発周辺を訪れた。

 「地震が起きた2日目に爆発音が聞こえましたが、何が起きたのか深く考えていませんでした」。ある村の入り口で取材に答えたガソリンスタンドの女性店主の言葉が印象に残っている。女性はこう続けた。「家が壊れなかったので、村の人たちは避難が必要とは思いませんでした。後にテレビの報道で原発から放射性物質が漏れたと聞き、村の人たちはすぐに避難しました」

 原発近くの村では皆が家を出て体育館に避難していた。避難所は混雑しており、誰もが家に帰れる日を待っていた。この時はまだ、家に帰れない状態が10年以上も続くとは誰も思っていなかった。

 私を被災地に案内してくれたのは、…

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