全病院の4分の1で「法定耐用年数」超え 迫られる建て替え

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
移転前の木村病院(東京都荒川区)。改築を繰り返し、一部の建物で法定耐用年数を超えていた=同病院提供 拡大
移転前の木村病院(東京都荒川区)。改築を繰り返し、一部の建物で法定耐用年数を超えていた=同病院提供

 全国の一般病院(20床以上)の約4分の1が建物の法定耐用年数を超え、建て替えを迫られている――。そんな調査結果を、医療コンサルタント「総合メディカル」(東京)がまとめた。

 日本では、過当競争に伴う経営不安や過剰診療が懸念されたため、政府が1985年、都道府県の2次医療圏ごとの必要病床数を3年後までに設定する地域医療計画を導入。増床申請の動きが加速し、建設が相次ぐ「駆け込み増床」が発生した。今後数年で、財務省令で定めた建物の法定耐用年数(39年)を超える病院が一層増加するとみられている。

 そこで同社は、2020年7月時点で医師ら職員数などのデータを集約した厚生労働省の「20年度病床機能報告」をもとに、建設から39年を超える一般病院の実態を調べた。病床機能報告は、約1000ある精神科病院を除く一般病院を対象としており、ほぼすべての一般病院が厚労省に報告している。

 その結果、7041病院のうち、23%の1620病院が法定耐用年数を迎えていた。また、3大都市圏では2821病院のうち、25・5%の719病院で老朽化率がやや高かった。さらに、建て替えの検討を始めるといわれる建設から30年を超えた病院は全国で4割近い2647病院にも及んでいた。

 法定耐用年数を超えても使用することは可能。だが、超過すると減価償却費としての経費を計上できなくなり、所有者は建て替えを迫られる。同社の担当者は「病院は、最新機器の設置や快適な病室など医療サービス向上のためにも建て替えを考える。しかし、都市部では用地確保、地方では人口減と医師の確保という課題から、建て替えに踏み切れない病院が多いのではないか」と指摘。課題の分析と解決に向けて病院への支援を強化する方針だ。【田中泰義】

関連記事

あわせて読みたい

ニュース特集