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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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世界に忍び寄るスタグフレーションの足音 世界銀行局長に聞く

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世界銀行のアイハン・コーゼ局長=2022年6月10日(オンライン取材の画面から)
世界銀行のアイハン・コーゼ局長=2022年6月10日(オンライン取材の画面から)

 ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、物価上昇と景気後退が同時に進行する「スタグフレーション」が世界各地で起きる懸念が出ている。1970年代の石油危機時には米国などの先進国でスタグフレーションが広がり、中米やアフリカでも金融危機を引き起こした。世界銀行で最新の経済見通しを取りまとめたアイハン・コーゼ局長が毎日新聞のオンライン取材に応じ、「もし、インフレ圧力を抑えられなければ、70年代と同様の状況に陥る可能性がある」と各国に対策を求めた。【聞き手・川上珠実】

 ――実際にスタグフレーションが起きるリスクをどう評価していますか?

 ◆世界銀行は7日に発表した最新の見通しで、世界の国々の7割について今年の成長予測を下方修正しました。各地で物価上昇がみられます。つまり、低成長と物価上昇は世界的な現象で、多くの国々に同時に影響を与えているのです。今後、物価上昇率は緩やかになることが予測されますが、それでも(各国の)中央銀行の目標よりは高い状態が続き、経済の低成長も続くでしょう。また、ウクライナでの戦争によるサプライチェーン(供給網)の混乱や新型コロナウイルス禍の影響も残っています。すべてを勘案すると、スタグフレーションは重大なリスクだといえるでしょう。

 ――70年代の石油危機の時にもスタグフレーションが起きました。

 ◆いまの状況と70年代の状況は類似点もありますが、異なる点もあります。まず、当時も現在のように物価上昇と経済の低成長がみられ、原油価格ももちろん高騰していました。一方で、当時とは異なり、近年は多くの国々がより効果的に物価上昇を抑制する金融政策を講じてきました。もし、いまのインフレ圧力を抑えられなければ、70年代と同様の状況に陥る可能性があります。そのためにも、政策決定者には積極的な対策が求められます。

 ――特に影響が懸念される地域はありますか?

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【ウクライナ侵攻】

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