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核兵器禁止条約

核兵器開発などを初めて全面的に禁じる核兵器禁止条約が1月22日に発効しました。核軍縮の前進につながるか注目されています。

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「核なき世界」へ道筋示せるか 初の核禁条約会議、NPT補完強調へ

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核兵器禁止条約の第1回締約国会議に参加したベルギーの代表(左)とオーストラリアの代表(中央の2人)=ウィーンで2022年6月21日、隅俊之撮影
核兵器禁止条約の第1回締約国会議に参加したベルギーの代表(左)とオーストラリアの代表(中央の2人)=ウィーンで2022年6月21日、隅俊之撮影

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議が21日、ウィーンで始まった。核保有国や「核の傘」の下にある日本などは参加しないが、ロシアによるウクライナ侵攻で核の脅威が増す中、核廃絶を求める国際社会の声は高まっている。「核なき世界」への道筋を探る動きが本格化する。【ウィーン隅俊之】

プーチン氏「核の威嚇」への非難が焦点

 「私たちは核兵器をめぐる議論の分岐点に立っている。核のリスクはこれまでよりもずっと高く、核兵器をめぐる不穏な言説を目にしている」。締約国会議の議長を務めるクメント氏(オーストリア)は会議の冒頭、そう語った。初の締約国会議は、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を示唆する中で始まった。新型コロナウイルスの影響で延期続きだったが、結果的に「極めてタイムリーな会議」(米軍備管理協会のキンボール会長)になった。

 焦点の一つは、採択が見込まれる「政治宣言」でプーチン氏による「核の威嚇」にどう触れるかだ。核禁条約は核兵器の保有や使用だけでなく、威嚇も禁止している。「それが誰なのか皆が分かっているから、名指ししなくとも(非難は)できる。核の威嚇は絶対に容認できないと明確にする必要がある」(キンボール氏)

 会議では、核禁条約が核拡散防止条約(NPT)を補完するものだとのメッセージが打ち出される見通しだ。

 NPTは第6条で、米露英仏中に核の保有を認める一方で、核軍縮交渉を進める義務を課している。だが、米露、米中関係など国際的な安全保障環境の悪化を背景に、核軍縮の動きは停滞。核禁条約ができた背景には核保有国が6条の義務を果たしていないとの不満があるが、米国などは、核保有国が参加しない核禁条約はNPT体制を弱体化させるとの姿勢だ。

 これに対し、核禁条約の締約国は…

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【核兵器禁止条約】

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