検事2人の証人威迫容疑は不起訴 無罪確定プレサンス前社長の告発

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大阪地検が入る大阪中之島合同庁舎=大阪市福島区で2019年7月、大西達也撮影 拡大
大阪地検が入る大阪中之島合同庁舎=大阪市福島区で2019年7月、大西達也撮影

 学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)の土地取引を巡る業務上横領罪に問われ、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市中央区)の山岸忍前社長(59)が捜査を担当した男性検事2人を証人威迫容疑などで刑事告発した問題で、大阪地検は21日、検事2人をいずれも容疑不十分で不起訴処分にした。

 山岸氏の弁護団は処分を不服として、裁判所に刑事裁判を求める付審判請求や検察審査会(検審)への申し立てを検討している。

 不起訴になったのは、大阪地検特捜部で捜査を担当していた2人(いずれも東京地検に異動)。関係者への脅迫的な取り調べで虚偽の供述を誘導したとして、山岸氏が証人威迫や特別公務員暴行陵虐の疑いで最高検に刑事告発。地検が5月に受理し、刑事部が捜査していた。

 弁護団によると、検事2人は山岸氏の関与を認めた元部下(57)らの取り調べで、「会社の損害を賠償できます? 10億、20億じゃすまない」などと山岸氏との共謀を認めるよう迫り、机をたたいて怒鳴ることもあったとされる。検察側に開示を求めた取り調べの録音・録画記録などから判明していた。

 証人威迫罪は、証人を正当な理由なく脅した場合などに適用される。地検は一連の取り調べ状況が適正な限度を超えていないと判断したとみられる。

 地検幹部は、告発の受理から約1カ月で処分内容を決めた理由について「時効が近く、迅速に捜査した」と説明した。刑事告発の2容疑のうち、証人威迫罪は3年で公訴時効が成立し、2022年12月に時効を迎える。弁護団側が検審に申し立てることを想定したとされ、別の幹部は「時効直前に結論を出せば、検審の申し立てを封じることになり不公平だ」と語った。

 山岸氏は、元法人理事長(64)=業務上横領罪で実刑確定=らと共謀して高校の土地を同社に売却した際の手付金21億円を着服したとして、特捜部に逮捕・起訴されたが一貫して無罪を主張。大阪地裁は21年10月、元部下らの供述の信用性を否定し、無罪を言い渡した。検察側は控訴を断念した。

 弁護団は前社長が違法な捜査で248日間勾留されたとして、約7億7000万円の国家賠償を求める訴訟も地裁に起こしている。【沼田亮、古川幸奈】

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