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一部の新型コロナ薬で耐性ウイルス生まれにくく 動物実験で確認

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新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」=福岡市城南区で1月、津村豊和撮影 拡大
新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」=福岡市城南区で1月、津村豊和撮影

 一部の新型コロナウイルス感染症の薬では、使用後に薬に耐性を持つウイルスが出現しにくいことをハムスターを使った実験で確認したと、東京大医科学研究所などのチームが英科学誌で発表した。耐性ウイルスが登場すると薬が効かなくなるなどの問題が起きるが、そうした問題が動物実験レベルでは起きなかったという。

 新型コロナ薬を巡っては、米製薬大手メルクが開発した飲み薬「ラゲブリオ」(一般名・モルヌピラビル)が2021年12月に国内で特例承認を受けた。塩野義製薬は軽症者向けの飲み薬を開発し、国に薬事承認を申請している。いずれの薬も、新型コロナがヒトの細胞内で増殖するのを妨げる働きがある。

 そこで研究チームは、免疫が働かないように操作したハムスターにオミクロン株を感染させ、その直後からこの二つの薬を5日間投与した。その結果、投薬を終えてから2日後、薬を投与しなかったハムスターに比べ、肺のウイルス量が明らかに少なかった。

 しかし、投薬終了後9日目には、薬を与えていないハムスターと同程度にウイルスが増えていた。この時、投薬したハムスターの肺から取り出したウイルスは、二つの薬への耐性を持っていなかった。

 このため、研究チームは「耐性ウイルスが優勢になる可能性は低いと考えられる」と結論づけた。さらに、免疫が働きにくい患者が5日間程度の短い期間で薬を服用しても、ウイルスを完全に排除できない可能性も浮かんだという。

 モルヌピラビルに関し、研究チームのメンバーで国立国際医療研究センター国際ウイルス感染症研究センター長も務める河岡義裕・東大医科研特任教授(ウイルス学)は「新型コロナのRNA(リボ核酸)を複製する際にエラーを起こす作用があるので、増殖を抑えられる。新型コロナがこの作用を乗り越えるような耐性を獲得するのは難しい可能性がある」と話した。

 季節性インフルエンザでは、子どもに治療薬「ゾフルーザ」を服用させた場合、耐性ウイルスが出る頻度が他の薬より高いというデータがある。このため、日本小児科学会が21年10月に公表した「治療・予防指針」では、12歳未満への積極的な投与を推奨していない。

 成果は英科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」に掲載された。【渡辺諒】

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