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「ご主人・奥さん」はNO、じゃあどう呼ぶ? 妻と夫が投げた一石

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メディア向けに、「ご主人・奥様」という呼び方を控えてほしいと依頼している中村まゆみさん(左)と中村佳太さん夫妻。ジェンダーギャップを減らそうと積極的に行動している=京都府大山崎町で2022年5月19日午後5時2分、反橋希美撮影
メディア向けに、「ご主人・奥様」という呼び方を控えてほしいと依頼している中村まゆみさん(左)と中村佳太さん夫妻。ジェンダーギャップを減らそうと積極的に行動している=京都府大山崎町で2022年5月19日午後5時2分、反橋希美撮影

 取材中、「ご主人・旦那さん」「奥様・奥さん」といった呼び方は控えてください――。

 京都のコーヒー焙煎(ばいせん)所がメディア向けにこんな依頼文を公開したと知り、興味をかき立てられた。記者(42)は、友人や取材相手らの配偶者をどう呼ぼうかと長年悩んできたからだ。「夫が上、妻が下」や「夫が外、妻が内」の意味がひそむ呼び方は避けたい。では、どう呼べば? ヒントを求め、新しい呼び方を実践している人々を訪ねた。

 最初に訪れたのが、冒頭の依頼文を公開した京都府大山崎町の「大山崎COFFEE ROASTERS」。店を営む夫婦から差し出された名刺にまず目をひかれた。

 中村まゆみ

 中村佳太

 店名の下に、妻、夫の順で名前がある。「最近、作ったところなんです」。カウンターの奥でまゆみさん(40)と佳太さん(40)がほほ笑んだ。

 話題になった依頼文を作成したのは佳太さん。2月、ツイッターで「ジェンダーギャップ解消のためのメディア関係者へのお願い」と題し、2人の連名でこんな文書を投稿した(一部抜粋)。

1、弊店は、中村まゆみと中村佳太の両名にて共同経営を行っております。どちらか一方が代表しているわけではありません。

 2、両名の名前を紹介いただく場合には、「中村まゆみ・中村佳太」の順番でお願いします。

 3、取材の最中、「ご主人・旦那さん」「奥様・奥さん」といった呼び方はお控えいただき、…

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