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木村 衣有子・評『ロシア点描』小泉悠・著

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生活の様子を知ると決して遠い国ではない

◆『ロシア点描』小泉悠・著(PHP研究所/税込み1760円)

 モスクワとサンクトペテルブルクでは異なる地下鉄の車両のドアが閉まるときの音、ソ連時代に集合住宅に潜んでいたKGBの所業、メドベージェフ元大統領はピンク・フロイドがお好き。そういった微に入り細を穿(うが)つエピソードの積み重ねを辿(たど)っていくと、ロシアに知り合いはひとりもいない私でも、だんだんロシア人は全くの他人ではないような気がしてくる。すると戦争もまた他人事ではなくなっていく。

 防寒のためにお店の扉が重厚すぎて入りづらいこと、いったん心を許せばどこまでもよくしてくれると同時にそれと等しく心配りをすることが求められる国民性などは、北東北にも通ずるところがあるようで、北国での暮らしぶりの普遍性も垣間見える。

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