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川本 三郎・評『辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿』莫理斯(トレヴァー・モリス)/著
2022/6/21 19:54(最終更新 6/21 19:54)
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西洋列強との複雑な関係を背景に科学的捜査に努める名探偵
◆『辮髪(べんぱつ)のシャーロック・ホームズ 神探福邇(しんたんフーアル)の事件簿』 莫理斯(トレヴァー・モリス)/著 舩山むつみ/訳(文藝春秋/税込み2200円)
ホームズがロンドンで活躍していた十九世紀末、香港にはもう一人のホームズがいた! 名を福邇(フー・アル)という。本家の名探偵と同じく頭脳明晰(めいせき)で次々に難事件を解決してゆく。
現代の香港の作家(一九六五年生)によるパスティーシュ(模倣)。といっても決して際物(きわもの)ではない。作者は自らシャーロキアンというだけにコナン・ドイルへの敬意があり、実に巧みに物語を香港に置き換えている。
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