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吉本ばななさん 下町の絶妙な距離感 エッセー集『私と街たち(ほぼ自伝)』

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作家の吉本ばななさん=内藤絵美撮影
作家の吉本ばななさん=内藤絵美撮影

 何気ない日常や身の回りの世界を見つめ、人生の機微を柔らかな筆で描いてきた吉本ばななさん。このほど刊行したエッセー集『私と街たち(ほぼ自伝)』(河出書房新社)では、街の思い出を軸に自身の半生を振り返っている。

 「ほぼ」とあるように、本書は時系列に沿った「自伝」ではない。小説家としての歩みや創作に関する話題もほとんど出てこない。「まえがき」には、幼い頃から「息をするように」小説を書いてきて、「小説家であることはあたりまえのことだった」と記している。

 特別なことではなかった「書くこと」のかわりに、本書では街の風景とそこで関わった人々の記憶がつづられる。多感な幼少期を過ごした1970年代の東京・千駄木、90年代の目白、近年の急激な変化を見つめてきた下北沢周辺。初恋から父の死まで、それぞれの街での出来事が層を成し、読み終えて「ほぼ自伝」だと納得させられる、不思議であたたかな読み心地のエッセーだ。

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