森喜朗氏の女性蔑視発言で「議論活発に」 東京五輪を公式に総括
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東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は21日夜、公式報告書を公開し、新型コロナウイルスの感染拡大のため史上初の1年延期を経て開催された大会を総括した。具体的な人名や詳細を伏せたケースが多かったものの大会を巡るトラブルも記載された。森喜朗前会長の女性蔑視発言を指すとみられる項目では「組織委がジェンダー平等や多様性と調和の重要さを再認識する契機となっただけでなく、日本社会全体の議論を活発化させた」と前向きに結んだ。項目ごとの主な内容は以下の通り。【小林悠太】
コロナ下の開催
クラスター(感染者集団)などを生じさせなかった運営に対し、世界のアスリートや大会関係者から、東京、日本だからこそ開催できたとの高い評価を受け、アスリートが躍動する姿を見た国内、世界の人々からは、困難を乗り越え、大会を開催してよかったとの評価を得た。可能な限り多くの声に耳を傾け、対話を重ねながら、課題の解決に向けた努力を続けた。
大会意義
世の中の価値観が多様化する中、そこには絶対の正解はなく、対話を通じて一つずつ乗り越えていくしかない。
国内医療への影響
参画する医師は整形外科などを中心とし、以前に看護師業務の経験のある看護師資格保有者らに丁寧に働きかけ、必要数を確保した。地域医療への影響は最小限に抑えられた。(開幕前日の)2021年7月22日をピークに(感染拡大を示す指標は)大会の開催期間中は低下し続けた。
無観客
原則無観客の方針や自宅観戦の呼び掛けなどもあり、大会期間中は人流が抑制された。
開閉会式担当者の辞任、解任
インターネットによって情報が蓄積し、拡散していく中で、スタッフを選定する際にどの程度の粒度で過去の言動などをチェックしていくのか、過去の言動と現時点での活動の関係性や評価をどう整理するのかといった課題が残った。
多様性と調和
21年2月のジェンダー平等推進チーム設置以降に更なる取り組みを実施した。大会を間近に控えた時期に起きた組織委幹部や関係者の人権に関する言動は、組織委がジェンダー平等や多様性と調和の重要さを再認識する契機となっただけでなく、日本社会全体の議論を活発化させることになった。
復興五輪
東日本大震災からの復興は大会の重要な開催意義であり、招致以来の源流であった。被災地復興のシンボルとしての場所で、大会を通じてさまざまな取り組みを実施することで、震災から10年経過した被災地の姿を、世界への感謝の気持ちと共に発信した。被災地の風評の払拭(ふっしょく)や風化防止、そして更なる発展の後押しに貢献することが期待される。
エンブレム
15年7月に発表した旧エンブレムの選定に関しては、国民からさまざまな批判を受け、組織運営を抜本的に見直すきっかけとなった。
暑さ対策
(関係者が)一体となって本気で暑さ対策に取り組んだ大会といえ、さまざまな手法や工夫、実施に至るまでの課題の検討や解決策などは、将来の大会組織委や開催都市にとっての貴重な財産となっていくことが期待される。
アスリートファースト
全てのアスリートが、それぞれのベストを尽くせるような環境を用意する大会運営に努め、全体として大きな問題を生じさせることなく、アスリートファーストの競技運営を実現することができた。
ボランティア
アンケートでは7割以上が当初の「ボランティア活動に参加した理由」を達成でき、8割以上が大会の終了後もスポーツボランティアの活動を続けていきたいと回答。ボランティアの活躍やおもてなしに対して、各国選手などから感謝や称賛の声が多く寄せられた。
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