違法な盛り土発覚の菅島、三重県が採石事業認可 業者に報告など条件

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岩肌がむき出しになった菅島の採石場=三重県鳥羽市で2022年2月21日、林一茂撮影 拡大
岩肌がむき出しになった菅島の採石場=三重県鳥羽市で2022年2月21日、林一茂撮影

 大量の盛り土が問題となっている三重県鳥羽市沖の離島、菅島の採石事業を巡り、三重県が事業者の「鶴田石材」(名古屋市)による事業申請を認可していたことが、県への取材で判明した。21日付で期間は1年間。同社は3月末で従来の認可の期限が切れて事業を停止しており、採石法に基づく認可権を持つ県の判断が注目されていた。

 採石場では昨年、認可区域外に大量の廃土石が盛り土され、濁水が海に流出していることが発覚。伊勢志摩国立公園内に位置しており、採石場の土地の現所有者である鳥羽市は「景観や環境への配慮が著しく欠けている」などとして、認可に同意しないとの意見書を県に提出していた。

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菅島

 県によると、今回認可したのは採石場129万平方メートルのうち、東山地区と呼ばれる73万平方メートル。この区域は、同社との間で長年にわたり採石の契約を結ぶ地元の菅島町内会が事業継続に同意しているため、市が拒んでも「認可に問題はない」と説明している。

 鶴田石材は、事業期間を2年間と申請していた。しかし県は認可にあたり、許可された区域外での違法な盛り土が確認され、撤去作業も完了していないことを考慮。期間を1年間に短縮したほか、廃土石の処理状況を毎月県に報告し、鳥羽市などが求める採石場の緑化対策を速やかに講じることなどを条件に付けた。また災害防止に努めるよう、同社に対し文書で行政指導したと明らかにした。

 1928年から菅島で採石事業を行ってきた同社は、県の認可について「良識ある判断をいただいた」として、月内に事業を再開する意向。鳥羽市は「市の考えが採用されなかったのは残念だが、多くの条件が付けられ、期間も異例の1年間になった」としている。【林一茂、朝比奈由佳】

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