「元気が出る」「泣ける」大人絵本 お薦めを柳田邦男さんに聞いた

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取材に応じる柳田邦男さん
取材に応じる柳田邦男さん

 絵本は子どものものと思われがちだが、「絵本は人生に3度」「大人にこそ絵本」と薦めるのは、ノンフィクション作家の柳田邦男さん(86)だ。

 「時代状況を鋭く映し出している絵本は大人にも気づきを与え、みずみずしい感性をよみがえらせる」と、その魅力を語る。絵本の翻訳も手がける柳田さんに大人でも楽しめる絵本を紹介してもらった。

涙する時間共有、子どもの感性育つ

 事故や災害、病気などをテーマに執筆を続ける柳田さんは、絵本についての著作や講演も多い。

 2000年ごろからネット社会の到来を予測し、生の言葉の響きや活字文化が衰退に向かうのではないかという危機感があった。

 柳田さんは「子どもへの絵本の読み聞かせはますます重要になっている。大人と子どもが一緒に楽しみ、涙する時間を共有することで子どもの感性が育つ。大人にもそういうことを大切にしてほしい。人生経験を重ねた大人が読むと、子どもの時とはまた違った深い味わいがある」と言う。

 20年から新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が続き、今年、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。

 戦争の理不尽さや悲哀の中に、小さな希望も見いだせるような絵本がある。日本で20年10月に出版されたスペインの作家による「しあわせなときの地図」だ。

 主人公の女の子は、戦争が始まって、生まれ育った町を離れることになる。その前に、町の地図に楽しいことがあった場所一つ一つに印を付けていく。

 柳田さんは「何のためかと言うと、未来に希望をつなぐためです。平和な頃の町を心に刻んで決して忘れないために。破壊された町の絵は、今のウクライナとそっくりです」と話す。

明日への希望描かれ

 柳…

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