フランス語翻訳者が指摘する日本の男女格差と「魔女狩り」の共通点

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2019年に伊藤詩織さんの著書「Black Box」をフランス語訳したエラリーさん。シモーヌ・ヴェイユなどフランスの哲学者らの書籍を愛読する=高松市南新町で2022年6月10日午後4時22分、西本紗保美撮影
2019年に伊藤詩織さんの著書「Black Box」をフランス語訳したエラリーさん。シモーヌ・ヴェイユなどフランスの哲学者らの書籍を愛読する=高松市南新町で2022年6月10日午後4時22分、西本紗保美撮影

 性暴力被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織さんの著書「Black Box」をフランス語訳したエラリー・ジャンクリストフさん(52)=高松市。翻訳業の傍ら、「剣道とジェンダー」について研究するエラリーさんは、日本の男女間格差が欧米で起きた「魔女狩り」に通じると指摘する。

 パリ郊外生まれ。パリ・シテ大(旧パリ第7大)時代に同好会で始めた剣道が縁で「アジアへの冒険心を抱いた」と、1997年から日本に移り住んだ。ビジネス文書などを中心に翻訳家として活躍。伊藤さんの翻訳を手がけたきっかけは2017年から世界で広がった性暴力に抗議する女性たちの「#MeToo」運動が当時の日本では浸透していなかったことに疑問を抱いたことだった。京都の友人に共訳を持ちかけ、19年に仏出版社から刊行された。

 伊藤さんが元テレビ局記者からの性暴力被害を訴えた告発や訴訟は、AFP通信などフランスのメディアも取り上げた。フランスでは近年、性暴力事件や家庭内暴力(DV)による死亡事件が多数起きており「治安の良い国として知られる日本でもそういった事件が起きるのだと驚かれたかもしれない」と語る。

 エラリーさんがジェンダー論やフェミニズムに強く関心を持ったのは2007年に生まれた娘の存在がきっかけだった。…

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