ピアニスト藤田真央さんが悼む 野島稔さんの背中、残した言葉
毎日新聞
2022/6/25 16:00(最終更新 6/25 16:12)
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チャイコフスキー国際コンクールで第2位に入るなど、最も勢いに乗っている若手ピアニストの一人、藤田真央さん(23)。その恩師で東京音楽大学長の野島稔さんが5月、病気のため亡くなった。76歳だった。藤田さんが「私の音楽の基礎を作ってくださった」と慕う、野島さんが見せた音楽家としての背中、二人だけの間で交わされた言葉を聞いた。【聞き手・須藤唯哉】
「響き」近づきたくて
小学6年生で全日本学生音楽コンクールの1位に選ばれた時、審査員を務めていたのが野島先生でした。後日、毎日新聞に採点表が掲載されたところ、25点満点中、私には24点が付き、そのほかの出場者は20点前後でした。
「何が違うのかな」と思っていましたが、その後も覚えていてくださっていたようです。高校3年だった17歳の時に野島先生が「見るよ」と言ってくださり、レッスンを受けるようになりました。
レッスンでは「響き」が重要だとおっしゃっていました。…
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