有名人の自殺をメディアはどう伝えるべきか 自宅前中継に「模倣」リスク

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WHO指針の「自殺に関する責任ある報道」
WHO指針の「自殺に関する責任ある報道」

 芸能人ら有名な人が自殺した際の報道について、世界保健機関(WHO)のガイドライン(指針)は模倣自殺を誘発しないよう注意を呼び掛けている。先月、指針から逸脱していると指摘される報道があった。自殺について、どのように伝えるのがよいのだろうか。

 「自殺総合対策推進センター」の翻訳したWHOのメディア向け指針の2017年最新版によると、自殺の手段を詳細に説明しないこと▽発生現場や場所の詳細を伝えないこと▽自殺の報道記事を目立つように配置せず、過度に繰り返さないこと――を求めている。

 最新版はまた「有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること」の項目を設け、「自殺リスクの高い人に模倣自殺を誘発させる可能性を特に高めてしまう」恐れがあることに気を付けるよう呼び掛けている。

 5月11日、お笑いトリオ・ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが亡くなったと報じられた。フジテレビは同日朝の情報番組で、発見時の状況について、自殺の手段が分かる表現で伝えた。後続の番組では自宅マンションの前から中継した。テレビ朝日は同日朝の情報番組で自宅前から中継した。

 厚生労働省は同日、報道を受けて、メディア関係者に向けた注意喚起を2度ホームページで発表した。「『手段』を報じる」「亡くなった方の自宅前等から中継を行う」ことなどは自殺リスクを高めかねないとして、WHOの指針に沿った報道を求めた。ソーシャルメディアなどにも、一部のテレビ報道が指針に反しているとする批判が出ていた。

 フジテレビでは同日午後、番組審議会が開かれた。公表された議事録によると、…

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