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ウクライナで「カミカゼ」…世界中で変わる意味、英語では自爆テロ

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「カミカゼ・ドローン」の発射風景。軽量でバッグにいれて持ち運びが可能という=AeroVironment Inc.提供
「カミカゼ・ドローン」の発射風景。軽量でバッグにいれて持ち運びが可能という=AeroVironment Inc.提供

 「カミカゼ・ドローン」。欧米メディアは5月、ウクライナ軍が実戦での使用映像を公表した米国製小型無人機をこう表現した。その報道を見て、私(記者)は「カミカゼがまた使われている……」と改めて違和感を覚えた。爆発物を搭載し、ロシア軍の戦車に突っ込んでダメージを与えることができることから、旧日本海軍の「神風特攻隊」を連想させるが、この言葉の使い方に引っかかった。そこで「カミカゼ」について調べてみると、世界の国々では意外な形で使われていた。【賀有勇】

太平洋戦争をきっかけに英語圏へ広まる

 英語での記述の歴史は古い。世界最大の英語辞典とされる「オックスフォード英語辞典」をめくると、英語の書物で初めて「カミカゼ」が使われたのは、ギリシャ生まれの文学者、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が著した短編集「心」(1896年)と記されていた。小泉八雲は「心」の中で、鎌倉時代の元寇(げんこう)の際に「神風」が吹き、蒙古軍を追いやった逸話に触れていた。

 しかし、「カミカゼ」が世界に知れ渡るのは、それから約半世紀後の太平洋戦争末期だ。旧日本海軍は、戦況の悪化を受けて1944年に「神風特攻隊」を編成し、爆弾を搭載した戦闘機もろとも、米戦艦などに体当たりする攻撃を繰り返した。終戦までに海軍だけで約4000人ともされる戦死者を出した奇襲を当時の米メディアが報じ、その名が広まったとされる。戦後になると、ハリウッド映画などを通じて「カミカゼ」の用語が浸透し、向こう見ずな運転をするドライバーなどを指して「無謀」「危険」「自己破壊的」といった意味で使われるようになったという。

「自爆テロ」の意味が定着

 このように「カミカゼ」が広まっていった状況は、…

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