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猛暑と節電

記録的な高温が続く2022年の夏。電力の供給余力が乏しく、政府による7年ぶりの節電要請が出ています。

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電力も水も足りない?…「異例」の夏 厳しい暑さのワケは

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経済産業省が東京電力管内に電力需給逼迫注意報を発令したことを受け、店頭のテレビ画面を半分程度消して営業する家電量販店=東京都千代田区のエディオンAKIBAで2022年6月27日午後5時11分、猪飼健史撮影
経済産業省が東京電力管内に電力需給逼迫注意報を発令したことを受け、店頭のテレビ画面を半分程度消して営業する家電量販店=東京都千代田区のエディオンAKIBAで2022年6月27日午後5時11分、猪飼健史撮影

 関東甲信地方、東海地方、九州南部は27日、異例の早さでの梅雨明けとなった。気象庁によると、今後2週間は各地で高温が予想されるなど、今年は暑さの厳しい夏になるとみられている。気候変動に伴って日本では猛暑日が増加傾向にあり、冷房利用増加に伴う電力需給の逼迫(ひっぱく)に加え、水不足など多方面への影響が懸念される。

梅雨明け後に梅雨前線南下、大雨可能性も

 記録的な早さとなった梅雨明けは、太平洋高気圧が日本列島の上空に強く張り出し、梅雨前線を押し上げたことが原因だ。気象庁によると、上空で西から東へ強く吹く「偏西風」が日本付近で北に蛇行したことで、太平洋高気圧が北に張り出したという。

 中村尚・東京大教授(気候力学)によると、早期の梅雨明けと猛暑は、偏西風のうち北緯40~45度付近を流れる「亜熱帯ジェット気流」の蛇行が特に影響している。欧州付近から始まってユーラシア大陸上空で蛇行を繰り返すこの現象は、夏に発生してしばしば日本で猛暑などの異常気象をもたらす。欧州とアジアの大気が関連することから「シルクロードテレコネクション」と呼ばれる。

 関東甲信が6月中に梅雨明けしたのは2018年以来2回目。18年は関東甲信の梅雨明け後、西日本豪雨が発生した。

 気象庁は「今回は18年と違って太平洋高気圧が西側まで張り出している」と説明する。…

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