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候補者数の男女均等を目指す法律が制定されてから4年がたつ。にもかかわらず、男性優位の状況は解消されていない。
参院選の全候補者に占める女性の割合は33・2%となった。衆院選も含め、国政選挙で3割を超えるのは初めてである。
しかし、有権者の半数が女性であることを考えれば、候補者も同様の比率にするのが当然だ。
野党第1党の立憲民主は、候補者の女性比率が51・0%となり、5割を超えた。共産は55・2%に上る。ともに公約で「議会での男女同数」を目指すと打ち出した。
これに対し、与党の対応は遅れている。自民は23・2%にとどまった。比例代表は目標の「3割」を達成したが、選挙区は男性が大半の現職を優先したためだ。公明は20・8%に過ぎない。
どれほど真剣に取り組むつもりなのか。女性候補者の割合に、各党の姿勢が表れていると言える。
参院の女性議員は23・0%であり、衆院の9・9%よりは高いものの、不十分である。
議員構成が偏っていては、議論が硬直化しかねない。政治に女性の意見が反映されないと、社会の男女格差解消も進まない。
多様な視点があってこそ、見過ごされてきた問題も取り上げられるようになる。先の国会では女性議員が中心になって、困難に直面した女性の支援法を成立させた。
衆院が所属議員に実施した調査では、8割が女性国会議員の数を「不十分」と答えた。だが、現状を変えなければとの切実さでは、男女差が浮き彫りになった。
政治を志す女性を取り巻く状況は厳しい。容姿で判断するような言動が相次ぐ。同僚議員や有権者からのセクハラもなくならない。子育てや介護との両立も負担になっている。
現状を打破するには、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入が必要だ。女性比率に応じ、政党交付金を配分する制度も検討すべきだ。
先日の東京都杉並区長選では、女性新人候補が当選した。男性中心の政治を変えたいという市民の思いの表れではないか。
女性が立候補をためらうようなハードルを、なくしていかなければならない。