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将棋盤を目前にすると鋭いまなざしに変わる。女性として史上、最も将棋の「プロ棋士」に近付いている里見香奈さん(21)は、周囲の誰もが認める研究熱心さで真っすぐ目標に挑む。
81マスの盤で40枚の駒が織り成す戦い。400年超の歴史の中で、名勝負はほぼ男性が作ってきた。江戸時代、実力ある女性が将棋を指した記録もある。しかし近代以降流れは途絶え、女流棋界が確立したのは約40年前のこと。女性への普及も進むが、男性と同じ制度でのプロ棋士はまだ誕生していない。玉将(王様)を詰ませ、勝ちきるまでの将棋の厳しさが「女性に向いていない」などと言われたこともある。
里見さんは幼稚園の頃、将棋好きの父が兄に教えていたのを横目で見て覚えたのがきっかけで将棋を始めた。12歳で女流棋士となり、17歳で女流名人になった。「『高校卒業までに女流名人に』などと自分なりに目標を立て、ぎりぎり達成できた」と振り返る。そんな女性同士の戦いの中、見ていたのは小学生の頃に戦っていたライバルの「男の子」たちが奨励会に入ったりプロになったりしていく姿。「自分の力がどこまでか試してみた…
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