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第26回参院選

2022年夏の参院選は6月22日公示、7月10日投開票。関連するニュースをまとめています。

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「いつまで続ければ…」 老いても暮らしのために働く高齢者たち

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年金収入では立ちゆかず、清掃の仕事をしている高齢女性。カレンダーに毎日の食費などを記入している=東京都新宿区で2022年6月3日、宮本明登撮影(画像の一部を加工しています)
年金収入では立ちゆかず、清掃の仕事をしている高齢女性。カレンダーに毎日の食費などを記入している=東京都新宿区で2022年6月3日、宮本明登撮影(画像の一部を加工しています)

 参院選が始まった。政治が抱える課題は何か。現場で声を聞き、外国から学べるヒントを事情に詳しい人と考えた。

 老いてなお、働かざるを得ない。高齢化率が3割に迫る日本で、そんな人たちの姿が浮き彫りになってきた。総務省の統計によると、2020年の日本の高齢者(65歳以上)人口は約3612万人。このうち就業者数は906万人と過去最高に達した。4人に1人が働く現状を「高齢者にも職があり、働く環境が整っている」と評価する声もある一方、「いつまで働けば……」と先の見えない老後に苦しむ人もいる。

年金だけでは暮らせず週5日アルバイト

 「爪に火をともすような暮らし。不安ばかりが先に立つ」

 東京都新宿区で6畳1Kのアパートに単身で暮らす女性(74)は力なく漏らした。国からもらう年金は月額4万5000円で、7万3000円の家賃にも満たない。時給1200円のビル清掃のアルバイトに週5日入り、そこで得られる10万円弱の収入が生活を支えている。

 結婚を機に23歳で故郷の大阪から上京し、料理人だった夫との間に2人の娘をもうけた。夫は優しかったが病気がちで、女性は飲食店でパート従業員として働き、家族を支えた。

 夫は酒に頼るようになり62歳で離婚。次女夫婦と一緒に生活していたが、夫婦が横浜に転居した10年ほど前に1人暮らしを始めた。

 だが昨年2月、…

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【第26回参院選】

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